冬の乾燥肌対策
ドラッグストアでは、「風邪薬」と並んで、「スキンケア」「リップ」「ハンドクリーム」などのコーナーが目立つようになってきました。冬は湿度や気温の低下、北風による“乾燥肌”の季節です。その対策ついて、今回はみていきたいと思います。
塗り薬の使用1(かゆみを伴わない)
かゆみを伴わないガサガサは乾燥肌の場合が多いです。基本的に保湿成分だけ、あるいは追加で血行を良くする成分も入っていればよいでしょう。次のような成分があります。
〇保湿成分
・ヘパリン類似物質(ヒルドイド)
保湿のほかに血行促進や抗炎症作用も持ち、大人から赤ちゃんまで使える成分です。
顔の保湿にも使用できます。使用に際して、ほとんど制限はありませんが、出血性
血液疾患を持つ人に使うことはできません。注意しましょう。
・尿素
一番使用されている保湿成分です。特に足の裏など、角質が厚くなる部分の使用に
適しています。ただし、人によっては刺激があります。顔には使用しないようにし
て下さい。
・ワセリン
あかぎれ、肌荒れの保護に適しています。使用制限が少なく、赤ちゃんも
安心して使用できます。唇の荒れにも使用可能です。
〇血流改善成分
・ビタミンE
・ヘパリン類似物質
〇組織修復成分ほか
・アラントイン
炎症を抑え、肌の角質細胞の増殖を促進。傷ついた組織を修復する作用がありま
す
・アズレン
炎症を抑え、傷ついた組織を保護する作用があります。
・ビタミンA(レチノール)
塗り薬の使用2(かゆみを伴う)
かゆみを伴う乾燥肌の場合は、上記で述べた成分の他に、次のような成分が入って
いるものを使用しましょう。
〇抗ヒスタミン成分(かゆみを抑える)
・ジフェンヒドラミン
〇抗炎症成分(炎症を抑える)
・ウフェナマート
非ステロイドなので、顔にも使用できます
〇局所刺激成分(かゆみを感じにくくする)
・クロタミトン(熱感)
・メントール、ユーカリ油、カンフル(冷感)
塗り薬使用の際に注意すべきこと
・塗り薬は入れ物の形によって、“チューブタイプ”“ジャータイプ(大容量)“乳液タイプ”
があります。持ち運びや、皮膚の狭い範囲に使用する場合は、チューブタイプ。手や足
の裏などに連日使用する場合は“ジャータイプ(大容量)”。お腹や背中など、体の広範
囲に使用する場合には“乳液タイプ”をお選びください。
・ステロイド剤などを使用する場合は、狭い範囲での使用で短期間にとどめ、ジュクジュ
クした部位には使用しないで下さい。また、妊婦さんなども出来るだけ使用を控えて下
さい。
全身がかゆい時の漢方薬(内服)
黄連解毒湯(おうれんげどくとう)・当帰飲子(とうきいんし)
消風散(しょうふうさん)・温清飲(うんせいいん)など
漢方薬は、体質、症状に合わせることが大事ですので、購入の際は必ず、薬剤師・登録販売者にご相談のうえ、ご使用ください。
ビタミン剤・サプリメントなど
・ビタミンC
コラーゲンの生成を促進し、肌のハリや弾力を維持します。
・ビタミンA(レチノール)
肌のハリと弾力を生むコラーゲンとエラスチンを生成します
生活で気をつけること
「こまめな水分補給をする」「体を温めて血流を良くする」「適度に運動する習慣をつく
る」など、普段の生活にも注意する必要があります。また、保温効果(生薬・炭酸など)や保湿効果(ヒアルロン酸など)のある入浴剤を使用してみるのも良いでしょう。
自分に合った対策を見つけ、快適に冬をお過ごしくださいね。