ドラッグストアで買える旅行対策商品のご紹介
ようやく新型コロナによる行動制限が3年ぶりにほぼ解除され、久しぶりの旅行や帰省を前に胸躍らせている方も多いのではないでしょうか。そんな楽しみを不安にさせる原因の一つに“乗物酔い”や“渋滞”はありませんか。今回の『健康だより』では、「酔い止め薬」のほか、ドラッグストアで買える旅行対策商品を、あわせてご紹介したいと思います。
「酔い止め薬」の選び方(1)
まずは使用する人の年齢に合った薬を選びましょう。
「酔い止め薬」は、子供用・大人用の他に、兼用できるファミリータイプがあります。もちろん、大人と子供で服用する錠数等が異なるので、用法・用量をよくご確認下さい。
一見、子供用に見えるドロップタイプの酔い止めは、大人が使用できるケースもあります。例えば“ドラえもん”が描いてある酔い止めドロップ『トラベロップQQs』は、子供でも大人でも使用できます。こんな「酔い止め薬」なら、家族みんなで楽しく服用できるかもしれませんね。
「酔い止め薬」の選び方(2)
「酔い止め薬」の剤形は、錠剤、カプセル、ドリンク、ドロップのいずれかです。錠剤でも水なしで飲めるタイプもあります。
事前に服用するものと、酔ってしまってからでも使える薬がありますが、いずれにせよ酔いやすい方は、出発30分前に飲むことをおすすめします。
短時間(4時間程度)であれば、1日2回服用の薬を選び、予定外に乗車時間が延長になった時だけ追加した方が、体への負担が少ないでしょう。
長時間乗物に乗る方は、1日1回服用の薬を選びましょう。
「酔い止め薬」で気をつけたいこと
「酔い止め薬」の効能・効果は“乗物酔いによる めまい・吐き気・頭痛の緩和”ですが、服用後に眠気が出ることが多いです。これは有効成分の「抗コリン作用」「抗ヒスタミン作用」による副作用のためです。“眠気が比較的少ない”という表記の商品もありますが、眠気が全く出ないわけではないのでご注意下さい。なお、運転する方は服用しないで下さい。
「風邪薬」「鼻炎薬」などの成分と重複することが多く、これらの薬とは併用不可の市販薬がほとんどです。また緑内障をお持ちの方は服用できない「酔い止め薬」もありますので、ご注意ください。そのほか、持病のある方や妊婦さん、授乳婦さんなどは、薬剤師・登録販売者にご相談ください。
「酔い止め薬」はあくまでも“乗り物酔いが原因のめまい・吐き気・頭痛の緩和”なので、日常生活での“めまい”などは薬剤師・登録販売者にご相談下さい。
「ドラッグストア」で買える旅行の不安を解消する商品
〇眠気防止薬
車の長距離運転をする予定がある方、眠気が出て困る方等には「眠気防止薬」があります。剤形は錠剤・ドロップ・ドリンクタイプなどです。市販薬のいずれの商品も“カフェイン”が主成分となります。カフェインの1回の摂取量の上限は200mg(1日は500mg)ですので、エナジードリンクやコーヒーなど、カフェイン含有量の多い飲料などの併用は注意が必要です。
〇渋滞した車内での困りごと対策
渋滞時のトラブルに次のような商品もお役に立つかと思います
・携帯用トイレ
・大人用おむつ ※2枚入りなどの「お試し用」
・嘔吐用エチケット袋
・(車内での熱中症対策に)「経口補水液」ゼリータイプ ※持ち運びしやすい
・(暑さ対策・気分転換に)冷感タオル ※『ビオレU-3℃』など使い切りの物が便利
〇“いびき”や“頻尿”の不安など
“いびき”防止の特効薬的なものはありませんが、「いびき防止テープ」などを試していただくのもよいかと思います。旅行に行く前に、一度ご自宅で効果を試してみて下さい。
頻尿が心配で旅行に行くのが不安という方には、頻尿に効く市販薬もご紹介できますので、薬剤師や登録販売者にご相談下さい。
事前にしっかり準備をして、旅行を満喫して下さいね!
付録:今回の薬用植物
「ジオウ」
ジオウ(地黄、Rehmannia)は、ゴマノハグサ科アカヤジオウ属の多年草。
ゴマノハグサ科 Scrophulariaceae アカヤジオウ属 Rehmannia
中国原産の多年草。根を用いる。熱をとる生薬であり、発熱、口渇、出血、吐血などに用いる。
含まれる主な漢方薬
温清飲、四物湯、牛車腎気丸、八味地黄丸など