2022.02.24

「アレルギー用目薬」の選び方(後編)

市販薬を選ぶ手順~続き~

  1. 注意事項確認→目薬の重要な注意事項はそう多くありませんが、年齢制限や使用できない場合があります。たとえば、年齢制限には「アシタザノラスト水和物(抗アレルギー成分)」や「プラノプロフェン(抗炎症成分)」が入っているものは、7歳未満は使用できません。また、コンタクトレンズ装着時には使用できない商品がほとんどです。「注意事項」は大切なことですが、箱の裏面や側面に小さな文字で書いてある場合が多いので、見落とさないで下さい。
  2. その他の症状→充血しやすい
  3. 充血しやすい→箱のおもて面に「かゆみ」や「アレルギー」以外に、「抗炎症」や「充血に」などの表記があれば、その商品の特徴としてのアピールなので、十分に対応できます。具体的には、「プラノプロフェン」などの抗炎症成分や、「塩酸テトラヒドロゾリン」などの血管収縮作用成分が入っています。特に血管収縮作用成分は、頻繁に使用すると逆に充血しやすくなるため、普段使いなどで長期に点眼する場合は不向きな成分です(点鼻薬も同様の注意が必要です)。
  4. 不明な点は薬剤師・登録販売者に聞く→特に、家族に頼まれて購入される場合は、家族の症状について具体的に教えて下さい。花粉症ということだけでなく、「かゆみ」「充血」「目やにの有無」など具体的に聞いてきていただければ、より合ったお薬を選べます。また、思っていた予算よりも高い場合なども遠慮なくご相談いただければ、目薬にかぎらず同じような成分でより安価な商品を紹介できる場合もあります。

薬で少しでも疑問に思ったことは、薬剤師・登録販売者に聞いて下さい。薬剤師や登録販売者は、薬の販売が仕事ではなく、お客様に合った薬を、効果的に安心して使用していただけることが本来の仕事です。症状によっては、お医者さんの診断をお勧めすることもあります。上手に、身近な専門家を利用して下さい。

市販の目薬で、他に注意すべきこと

多くの市販の目薬は「清涼感」の違いによって、同じ商品でも2種類並んでいます。「しみる」のが苦手な方や、高齢者・小児などは、「清涼感レベル」の低いものを選んで下さい。一般的には「マイルド」と書いてあるものはしみない、「クール」などと書いてあるものはしみます。

 開封してからの使用期限は、およそ1ヶ月をめどに使用して下さい。商品によって10日以内と表記されているものもあります(『ソフトサンティア』など)。また使用の際は、他の人と共有しない、点眼のする時にまつ毛などに付けないなどにも注意して下さい。

花粉症のひどい方にとって、一年で一番イヤな季節かと思います。薬の他に花粉グッズなどもうまく併用しながら少しでも楽に過ごして下さい。薬局・ドラッグストアが、お客様の快適な日常生活のお手伝いをいたします。

付録:今回の薬用植物

「ジキタリス」

ジキタリス(洋地黄、Digitalis)は、オオバコ科ジキタリス属の多年草。

ヨーロッパ原産で観賞用の品種も栽培されているが、薬用としてはDigitalis purpurea Lの葉を処理したものを用いる。強心利尿薬として用いられる。

含まれる主な漢方薬

特になし。現在は化学的に合成されたものを西洋薬として用いる。

一覧へ戻る