市販の「花粉症薬」について
「新しい生活様式」が浸透していく中、花粉症の季節がやってきました。花粉症をお持ちの方は、そろそろ薬の準備を始めているかもしれません。山形県・宮城県の今年のスギ花粉飛散予報は例年並みでしたが、昨年が極めて花粉の飛散量が少なかったため前年比だと2~3倍の予報となっています。「花粉症」と「かぜ」の見分け方を知り、適切な対応を心掛けましましょう。なお、「新型コロナ感染症」と「花粉症」は類似点が多いため、初めて花粉症を発症したかな?と思ったら、安易に自己判断せずに病院を受診してください。
「花粉症」と「かぜ」の見分け方
「花粉症」と「かぜ」も症状がよく似ています。次のような症状があれば、「かぜ」を疑った方がよいでしょう。「鼻水に粘り気があり黄色い」「くしゃみは、1~数回で治まる」「目のかゆみがない」「朝晩関係なく同じ症状が続く」「高熱を伴う」(発熱はアレルギー反応として、花粉症でも起こることがありますが、37℃後半以上になることはありません)などです。総合感冒薬についてはヤマザワニュースのバックナンバーをご参照ください。
眠気の出にくい抗アレルギー薬
「鼻水はサラサラしており、透明」「くしゃみが止まらない」「目がかゆい」等があり、「花粉症」の既往があるならば、ドラッグストアで市販薬を買うか、医療機関で処方してもらうかしましょう。ここ数年のうちに、処方薬と同様の薬が、ドラッグストアでも購入できるようになりました。内服薬の「アレグラ」(成分名:フェキソフェナジン)、「アレジオン」(成分名:エピナスチン)、「クラリチン」(成分名:ロラタジン)などです。成分量や用法も、処方薬と同様です。いずれも眠気が出にくい成分になっています。同じ成分の安価な商品も販売しているので、ご自分が使いたい商品の成分名をご相談下さい。
即効性・効き目の良さで選ぶ
前述した薬は、眠気が出にくく、持続性がありますが「即効性・効き目の良さ」という点では、少々物足りないと思う方がいるのも事実です。これらを求める方は、成分名で「プソイドエフェドリン」「メチルエフェドリン」「アゼラスチン」「ケトチフェンフマル酸塩」などを使用されている薬がお勧めです。ただし、これらの薬は「即効性・効き目の良さ」という利点がある一方、「眠気・口渇・尿が出にくい」などの副作用がでる場合があります。特に日常的に運転をなさる方、高血圧・心臓病などの持病をお持ちの方の服用は注意が必要なので、薬剤師または登録販売者と相談してから購入しましょう。
「点鼻薬」「目薬」との併用
効き目が良い薬は眠気が出て困るけど、眠気が出にくい薬では効果が不十分という方もいらっしゃるでしょう。その場合は「アレグラ」などの眠気の出にくい内服薬と「点鼻薬」等と併用をお勧めしています。ただし、点鼻薬は回数制限や年齢制限など注意して頂きたいことがありますので、まずは薬剤師・登録販売者などにご相談下さい。
「目薬」も様々な種類があって、どれを選ぶべきか迷う方も多いかもしれません。症状に合わせた成分をお選びいたしますので、ぜひご相談下さい。乳児以上であれば、ほとんどの目薬は年齢制限がありませんが、抗炎症成分の「プラノプロフェン」などを使用した目薬は年齢制限(7歳以上)がありますので、お子さんが使用される場合は注意が必要です。
今年はこのコロナ禍の中、感染リスクを低くするため、また医療機関の負担を軽減するためにも、ますますセルフメディケーションの重要性が高まっていくと考えられます。判断に迷った時は積極的に薬剤師や登録販売者に相談して上手に市販薬を活用しましょう。
付録:今回の薬用植物
「レンギョウ」
レンギョウ(連翹、Forsythiae)は、モクセイ科レンギョウ属の落葉性低木広葉樹。
各地、特にアジアに多い木本。果実を用いる。利尿・排膿・清熱作用などがあり、皮膚の化膿性疾患などに用いる。
含まれる主な漢方薬 防風通聖散、荊芥連翹湯、清上防風湯など