2020.09.14

その薬、同じではありませんか?

皆さんは市販薬を選ぶ時、何を基準にして選んでいるでしょうか?自分の症状にあって、お値段が妥当かを考えて購入する人も多いと思います。一方で、薬の成分までは見ても分からないので見ないで購入している人もいるのではないでしょうか。今回はそのような人が陥る落とし穴をご紹介します。

実は同じ成分だった!?

見た目(外箱)の謳い文句(効能)は全く違うのに、中身が同じ成分という場合があります。薬は一つの成分で複数の効能を持っている事があります。市販薬では効能をお客様に分かりやすく、買いやすいパッケージにしてある半面、結果的に同じ成分を使っているという場合があるのです。

腰痛の薬とトイレの薬

上記の例ではしびれを伴う腰痛に「漢方ラックル」を、女性の頻尿に「トイリズム」を挙げましたがどちらも同じ「牛車腎気丸」(注:厳密にいえば若干成分量は異なります)という漢方成分を用いています。 特に漢方薬は様々な効能がありますが、市販薬では漢方薬らしくない名前で売られている場合があるので注意が必要です。

睡眠導入薬と蕁麻疹の薬

別な例として今度は「ジフェンヒドラミン塩酸塩」という成分です。睡眠薬として「ドリエル」、蕁麻疹や痒み止めとして「レスタミンコーワ」に使われています。効能、効果の記載が全く異なり、用法用量さえも違いますが同じ成分を使っています。 元々は蕁麻疹の薬として使われていましたが、眠気の副作用が起こりやすい成分だったので逆転の発想で後から睡眠導入薬として発売されるようになりました。

スタッフと相談してみよう!

このように市販薬の中には実は同じ成分だったという商品が隠れています。 病院のお薬はお薬手帳があれば薬局や病院で確認してもらえますが、基本的に市販薬はお客様自らがスタッフにお声がけくださらないとチェックできません。他にお薬をお使いでしたら、ぜひ薬剤師または登録販売者にご相談の上ご購入ください 。

付録:今回の薬用植物

アマチャ

アマチャ(甘茶)は、ユキノシタ科アジサイ属の落葉低木。 日本の中部山中にまれに自生し、ヤマアジサイの変種と言われています。一般にはヤマアジサイの他の変種も含んで栽培されることがあります。 古くからお茶として親しまれているが、濃いアマチャを飲んだところ悪心、嘔吐を起こした事例が発生したため適量で飲用するよう注意が必要です。

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